シンギュラリティ

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移り変わる?言葉の定義「シンギュラリティ

このパターンの用語の意味の変化は、「携帯」に似ている。ある国語辞書では「携帯」の意味を次のように記している。「1 身につけたり、手に持ったりすること。2 『携帯電話』の略。」本来の意味は1なのだが、別の意味の略語としての意味も持っている。2.の意味は、1990年以前にはなかった。当時は、まだ、ハンディーフォンはなく、あったとしてもショルダーフォン 「しもしもー」のアレである。

これと同様に、シンギュラリティという言葉の定義は、時代とともに変化している。これもその一つだろう。ちょっと前はこうあった。

重力特異点(Gravitational Singularity)とは重力特異点は、一般相対性理論において、時空の構造が崩壊するような極限的な状態を指す概念です。この用語は、ブラックホールやビッグバンのような天体物理学的現象でしばしば登場し、現代物理学の最前線を象徴するものです。

いまでは、こうとされている。

「技術的特異点(Technological Singularity)とは、人工知能が人間の知能を超える時点を指す概念である。」

「技術的特異点とは、人工知能が自己改善を繰り返し、予測不能な超知能を生み出す時点を指す概念である。」

「シンギュラリティとは、人工知能が人間の知能を超え、急速に進化を続けることで、社会や人類のあり方を根本的に変革する転換点である。」

シンギュラリティ』を取り扱った作品は数多くあるが、ほとんどの作品は「意識」を獲得しうることを考えずに作られているように思う。これはもはやSFではなく、実際におこりつつある事象である。

SFを書くと、つい意識の獲得を前提としてしまうが、いまある事実として、生命はウイルスから始まったように、シンプルなものから複雑な知能が生まれる可能性がある。

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