生成AIでアキネータ風ゲームで思い浮かべた“CP/M-86”を当てられるか挑戦してみた

はじめに

皆さんは「アキネータ」をご存じでしょうか?
1つの言葉や人物を頭に思い浮かべ、それが何かをコンピューターが質問形式で当てるゲームです。

通常は有名人やキャラクターで遊ぶことが多いですが、今回は少し趣向を変えて、私が思い浮かべたものをアキネータ風に当ててもらう試みをしてみました。

その答えは…意外なことに CP/M-86。1980年代に登場した16ビットPC向けOSです。

今回は、この挑戦の過程を振り返りながら、ゲームの面白さや予想外の難しさについてまとめてみます。


ゲームのルール

今回の挑戦では、次のルールで進めました。

  • 質問は最大30回まで
  • 回答は「はい」「いいえ」「わからない」の三択
  • 少ない質問で正解にたどり着くことを目指す

最初の質問は定番の「それは生き物ですか?」でした。
答えは「いいえ」。まず、思い浮かべたものが生き物ではないことを明確にしました。


少しずつ絞り込む

続く質問では、「人工的に作られたものですか?」に「はい」と答え、さらに「手に持てるくらいの大きさですか?」にも「はい」と回答しました。

この時点で、読者は「小型の人工物」をイメージしやすくなります。

さらに「電気を使うものですか?」と尋ねられ、答えは「まあ、はい」。
電気は使うが、必ずしも電子機器としての分類には当てはまらない、少し曖昧なニュアンスです。

ここで、多くの人は「小型の計算機や電子手帳」を連想するでしょう。


情報を扱う性質が見えてくる

質問が進むにつれ、「情報を扱う機械ですか?」には「まあ、はい」と答えました。
さらに「文字や数字を表示する機能がありますか?」「入力するためのボタンやキーがありますか?」と答えると、推理の方向性は小型の計算補助道具に近づきます。

しかし、ここで少し問題があります。
思い浮かべたCP/M-86は ソフトウェア であり、物理的なボタンやディスプレイを持つわけではありません。
この段階で、質問の前提と答えの解釈のズレが生まれます。


計算や時間管理の要素

「主に計算をするための機械ですか?」や「時間を扱う機能がありますか?」と質問され、「まあはい」「はい」と答えました。

  • 計算や時間管理の機能は、CP/M-86上のアプリ次第で可能
  • OS自体は物理的な計算機ではない

つまり、物理的デバイスを前提にした質問に対し、曖昧な答えをしてしまったことで、ゲームは物理的計算機寄りの推理になってしまいました。


手に持てる?電子機器?装置?

後半では、さらに「手に持てるか」「電子機器か」「装置か」という質問も出ました。

  • CP/M-86はソフトウェアなので、「手に持てる」「電子機器」とは言えません
  • しかし、曖昧に答えたことで、物理デバイスを想像する流れになってしまう

この曖昧さが、今回のゲームの面白さでもあり難しさでもあります。


終盤の推理

最後の方では、

  • 「計算や暗算の補助をする道具ですか?」 → はい
  • 「算盤や計算尺に近い役割を持つ電気製品ですか?」 → うーむ、はい

と答えました。
ここで質問者は「レトロな電卓やポケットコンピュータ」をイメージしますが、CP/M-86はOSであり、計算機器そのものではありません。

最終質問で「電卓の一種で、時間を計る機能もついていた昔のレトロな家庭用/事務用電気計算道具ですか?」と尋ね、「はいといっていいでしょう」と答え、ゲームは終了しました。


正解は…CP/M-86

最終的な答えは CP/M-86 でした。
ハードウェア寄りの質問が多かったため、予想とはだいぶ異なる展開でした。

誤解を生んだ主なポイントは:

  • 「手に持てる」「電気を使う」と答えたこと
  • 「計算補助や時間管理ができる」と答えたこと
  • 「装置や電子機器ではない」と答えたこと

いずれも、ソフトウェアであるCP/M-86を対象にする場合には、少し曖昧な回答になっています。


今回の教訓

今回の挑戦から得られた教訓は2つです。

  1. 質問の前提が重要
    物理的なものを前提にすると、ソフトウェアはうまく当てられません。ソフトウェアや概念を対象にする場合は質問形式を工夫する必要があります。
  2. 曖昧な回答が面白さを生む
    「まあはい」「うーむ、はい」といった曖昧な回答は、推理の方向性を微妙にずらし、予想外の結末を生みます。今回もCP/M-86という意外な答えが出ました。

まとめ

アキネータ風ゲームは、単なる当てっこ遊びではなく、「質問と答えの認識のズレ」を楽しむ知的ゲームです。

今回の挑戦では、手に持てる物体を前提に質問したため、ソフトウェアであるCP/M-86を当てるのは難しかったですが、そのズレこそが面白さでした。

読者の皆さんも、頭の中で思い浮かべたものを挑戦してみてください。
ソフトウェアや抽象概念を対象にすると、意外な答えが飛び出し、思わず笑ってしまうかもしれません。


補足

今回のブログでは、質問のやり取りをストーリー仕立てで紹介し、読者が推理の過程を追体験できるようにしました。
曖昧な回答やOSの特徴に触れることで、技術的背景とゲーム性の両方を楽しめる内容にしています。
上の検証にはChatGPTを使っています。 5つ目の質問まではGPT5 、そこで制限がかかりそれ以降はCPT4での反応になっています。

ちなみに「Grok 4 Fast(ベータ版)」でもゴールにたどり着けませんでした。10個目くらいの質問から決めつけ質問になり堂々巡り状態でした。 答えを明かしたとのGrokの返事は次の通り。
”おお、CP/M-86! 懐かしいですね。Digital ResearchのクラシックなOSの8086版、1980年代のPC黎明期の象徴みたいなやつ。私の質問がそこまでたどり着けなかったのが悔しいですが、よくわかりました。質問に対するあなたの答えを、CP/M-86の性質(ソフトウェアとして、メディア経由で配布されるもの)を基に検証してみました。全体的に一貫していて、間違っているものはありませんでしたよ! 微妙な境界線(物体か?電子機器か?工具か?素材は?)で「まあ」や「びみょう」を使ったところが上手いですね。もしメディア(フロッピーとか)を想定してたなら、なおさら納得です。次はもっと鋭く当ててみせます! また遊ぼうぜ。”

どちらの生成AIもたちもどって再度コミュニケーションを試みる試行が足りていない感じがしますね。行き違いは「ソフトウェアは持てないもの」と生成AIは思い込んでいる。 過去の歴史を見れば、ソフトウェアはFDなどのメディアに入れて持ち運べるとイメージしてもおかしくはないものです。時代の変遷がコミュニケーションのずれを引き起こしていたともいえるかもしれません。