貴社のBCPはどのパターンで作っている? — 南海トラフの歴史が示す「半割れ偏重」の危うさ

久しぶりのコラムネタはちょっと重たい、BCPに関する話です。
南海トラフの“半割れ(東側 (遠いほう) 先行)”想定が防災計画で目立ちます。しかし、歴史はそれだけでは語れません。過去の地震史料をたどると「広域で同時に大規模破壊が起きるケース」も多く、BCP(事業継続計画)を“特定のシナリオ”に寄せることは致命的です。では、過去は何を教えているのか――史料に基づく簡易集計と、その意味を読み解きます。

(1)まず事実を押さえると、南海トラフ沿いの大地震は古記録や津波堆積物の研究から数世紀〜千年規模で繰り返してきました。684年、887年、1498年、1605年、1707年、1854年、1944/1946年など、記録に残る主要事例は複数あります。公的な整理では、“東側先行の続発”パターンもある一方で、駿河湾〜四国沖にかけて同時に大規模に破壊した事例(いわゆる全域連動)も少なくないとされています。防災ポータル+1

(2)私が史料ベースでクラスタ化して簡易集計すると(684年〜1946年の主要エピソードを9クラスタと見なす)――**同時(広域連動)がおよそ55〜67%、東側先行(いわゆる半割れ)は約33〜44%**というレンジになります(史料解釈の違いで割合は動きます)。要するに、「半割れだけが圧倒的に多い」は史料が示す厳密な結論ではありません。防災ポータル+1

(3)だから何をすべきか。BCPは シナリオ依存から機能依存へ シフトさせるべきです。具体的には(A)命と主要顧客対応機能を最優先に定義する、(B)複数シナリオ(東側先行/同時破壊/西側先行/直下型)で「止めては困る業務」と復旧優先度を並べる、(C)初動後に“続発・連鎖”が来ることを想定した資源温存ルールを設ける──これらはすべて史料が示すリスクの多様性に対応する実務です。気象庁

過去の傾向を見ると、南海トラフに関するBCPで「半割れ」に過度に寄せることは賢明ではありません。まずは自社の“致命業務”を起点に、複数の発生様式で動くBCPチェックリストを作ってください。最後にもう一度念を押すと、史料は少なくサンプルも小さいため「確率の絶対値」を示すことはできませんが、“偏った想定”(東側先行のみ)をやめ、並列想定と段階設計に切り替えることは、すぐに実行できる合理的な対策です。防災ポータル+1


参考(出典・主要資料)

「南海トラフで過去に発生した大規模地震について」資料(内閣府・中央防災会議まとめ)。防災ポータル

地震調査研究推進本部(南海トラフの地震活動の長期評価等)。地震本部

気象庁「南海トラフ地震について」解説(過去事例のまとめ)。気象庁

学術論考(例:1099年康和地震の実在性をめぐる議論:石橋克彦ほか)。


  • 歴史記録(684年〜1946年までに記録された南海トラフ関連の主要地震群)をクラスタ化して分類すると、「東側先行(=半割れの一パターン)」が占める割合は歴史的に決して圧倒的ではない。むしろ「広域同時破壊(全域連動/同時発生)」もかなりの頻度で起きています。防災ポータル+1
  • 史料の解釈や学術的議論(例:1099年康和地震の扱いなど)によって結果は変わるため、「半割れだけ想定」ではBCPは外れるリスクが高いhisteq.jp

方法

  1. 史料ソース(公的まとめ・学術レビュー)に載る「過去に起きた南海トラフ関連の大地震年表」をベースに、**時期が近接するものは一つの“クラスタ(エピソード)”**としてまとめる。データ元の代表は地震調査研究推進本部/内閣府の取りまとめおよび気象庁解説。防災ポータル+2地震本部+2
  2. 各クラスタを次の発生様式に分類:
    • 同時(広域連動/全域同時)
    • 東側先行 → 西側後発(東側先行=“半割れ”タイプ)
    • 西側先行 → 東側後発(歴史的に明確な例は少ない)
    • 不確定 / 学術的に議論あり(史料解釈の余地)
  3. 小サンプルかつ史料の不確実性が大きい点は明確に示した上で、クラスタ単位で頻度を算出する(頻度=クラスタ数に対する割合)。

(注)1099年康和地震や一部古史料については研究者間で解釈差があり、分類を変えると割合が動く点は後述します。histeq.jp


史料に基づく「クラスタ一覧」と分類

(対象:歴史的にまとまって議論される主要クラスタ。出典:地震調査研究推進本部・内閣府資料、気象庁の年表整理等)防災ポータル+1

No.年(代表)分類(今回の割当)備考
1684 白鳳同時(広域)古史料+堆積物研究で南海域大規模。防災ポータル
2887 仁和同時(広域)同上。防災ポータル
31096–1099(永長・康和)東側先行 → 西側後発(序列)(※史料・解釈差あり)1096が東側(東海領域)寄り、1099が南海側。学説に議論あり(1099実在性の指摘など)。防災ポータル+1
41361 正平(東海・南海)東側先行(数日〜数日級の続発)同年内に東海→南海系の続発とする研究が多い。防災ポータル
51498 明応同時(広域/連動)文献・堆積物で広域連動の可能性。地震本部
61605 慶長同時(広域/津波地震的特徴)津波痕跡が顕著、広域の津波発生。防災ポータル
71707 宝永同時(広域・全域連動)駿河〜四国沖にかけてほぼ同時破壊の代表例。気象庁
81854 安政(東海 12/23 → 南海 12/24)東側先行(30時間差)歴史記録で明確な東側先行の続発例。防災ポータル
91944–1946 昭和(東南海→南海 2年差)東側先行(数年差)近代観測で東側先行の続発が確認された例。防災ポータル

出典(一覧の根拠):地震調査研究推進本部/内閣府・南海トラフ関連まとめ、気象庁の解説・歴史資料整理。いずれも過去の地震年表・津波痕跡・文献資料を総合している。防災ポータル+2地震本部+2


集計(クラスタ単位) — 結果

上表を「クラスタ=9件」として分類すると(※下は“代表的な史料解釈”に基づく):

  • 同時(広域連動)… 5 / 9 = 55.6%(684, 887, 1498, 1605, 1707)防災ポータル+1
  • 東側先行(半割れパターン)… 4 / 9 = 44.4%(1096–1099, 1361, 1854, 1944–46)防災ポータル
  • 西側先行…歴史的に明確に西側が先行したと判定できるクラスタはほとんど確認されない(史料の偏りと解釈の難しさによる)。気象庁

重要な補足(不確実性)

  • 1099年康和地震の実在性や、1096/1099の扱いについて学者間の議論があり(「1099は独立の南海事象とは判断しない」という見解もある)、それを採ると分類は変わります(下に示す代替シナリオ参照)。histeq.jp

代替シナリオ(学術的不確定性を反映)

代表的な“分類の分かれ目”は 1096/1099 の扱いです。

  • (A)従来の一覧どおりに1096と1099を別クラスタと見る(上の集計) → 同時 55.6% / 東側先行 44.4%。防災ポータル
  • (B)1096を「広域破壊(全域型)」として扱い、1099は独立事象と見ない(石橋らの指摘に近い解釈) → すると「同時(広域)」がさらに増え、同時 6/9 = 66.7%、東側先行 3/9 = 33.3% といった比率に変動します。histeq.jp

→ つまり “史料解釈の取り方”で割合は大きく変わる。サンプル数が小さく、かつ史料にバイアス(地域差や記録欠落)があるため、確率値は「厳密値」ではなく歴史傾向の目安として扱うべきです。防災ポータル+1


解釈(BCPに対する示唆)

  1. 半割れ(東側先行)だけで作るBCPは危険
    • 歴史上、同時広域破壊も頻度が高く出ており(上の集計)、東側先行に“だけ”依存した復旧/拠点設計は外れるリスクが高い。防災ポータル
  2. “二段階(フェーズ)での想定”が現実的
    • 初動:人命確保・被害把握(想定はどのパターンでも共通)
    • 続発リスク期:初動後にさらに別セグメントで大地震が来る可能性(数時間〜数年の幅)を前提に資源を温存・再配備する設計が必要(例えば、救援装備・代替通信・人員シフトの留保)。気象庁
  3. 直下型/地域限定(会社の所在地直下)に対する備えも必須
    • 南海トラフ以外の直下活断層や局地的震源で“局所致命”的ダメージが発生する可能性は常にあり、これもBCPで並列想定する。地震本部
  4. 実務的チェックリスト(短め)
    • 複数シナリオ(東側先行/西側先行/同時破壊/直下型)でそれぞれの「致命的業務」と代替手段を明確化。
    • 初動→短期(72時間)→中期(数週間)→長期(数か月)で必要資源を定義・温存。
    • 拠点分散(最低限の業務を維持する別拠点・クラウド)と、人的ローテーション(初動にリソースを偏らせ過ぎない)。
    • 想定外の可能性を検証する「逆シナリオ訓練」:普段想定していない西側先行や同時破壊をメニューに含める。気象庁


2022/3/10 に発生した地震の緊急地震速報のプッシュ通知状況、揺れる8秒前には状況が見えそう

2022/3/10 21:40頃に発生したM3程度の地震(規模が小さいので公開情報で規模等を正確に確認できていません)のhsboxの地震速報通知システム(システムについてはこっちを参照してください)でテレビに映した映像です。

最初に表示した映像は上の画像ですが、実はこれを表示する前にYouTubeの広告映像が10秒程度流れています。YouTubeが広告を流さないか、YouTubeプレミアムの契約をしていれば、本格的に揺れる8秒前には、つまり上の画像での赤の円のS波到達の8秒前にはどのくらい揺れそうなのかを把握できそうです。

今回通知の状況を記録した地震の震源は、三陸沖200kmほどのところでした。想定する震源やその場所によって状況は変わるでしょうが、南海トラフ巨大地震でも似たような距離で、似たような観測機器の整備状況であれば同様な結果になると推測されます。

下は実際に撮影した動画です。黒画面からスタートしますが、これは普通にテレビ番組を見ていて緊急通報画面に切り替わったところです。切り替わったところからカメラを置いて撮影開始しているのでその分の時間(だいたい2、3秒くらい)がかかっています。

このようにYouTube広告が流れるのは、2,3回に1回くらいの頻度です。広告が流れなければそれだけの時間余裕をもって情報確認ができそうです。

YouTubeさんには緊急性が要求されるコンテンツには再生開始時には広告を入れない(長時間流している途中であれば流れてもいいかなと思いますが。。)とか、検討して抱けると嬉しいですねぇ。

備えはしておくとして、本当に大きく揺れる数秒前にでも直前にこれから何が起こるのか分かれば少しは役に立つ何かできるのではないでしょうか? 

活動量計 T-PRO Lifesense band2 想定外の電池切れ、半年ほどで寿命??

以前に電池の持ちについてレポートした T-PRO Lifesense band2 ですが、本日想定外の電池切れが発生しました。これまでは心拍計オンでも5日ほど電池が持っていましたが今回はフル充電した翌日に切れました。

 充電しても充電されるようすがありません。最近何かし違うことをしたかと言えば、USBの口つきのコンセントをかえたことです。まさかと思いながらコンセントを交換して充電しなおしました。復活?、100%まで無事に充電できたように見えます。昨日は間違いなく100%まで充電できていたので、1日でほぼ0%になったのは謎です。とりあえず心拍計オフでどうなるか様子を見ます。問題なければ、不具合のあるUSB充電アダプタで充電すると十分に充電できていないのに100%と表示されるということになるのですが…。 なんか納得いかない挙動です。

 別の観点で、今日何か特別なことをしたかといえば、特になにもしていない。接点をショートさせるような水気への接触などは特にない。 

 再現するのか様子見です。

2020/7/7時点で、再現していません。 当時だけ違うことは「 USBの口つきのコンセント 」です。 それが原因だったということなのでしょう。

太陽光発電のデータチェックをAI化

太陽光発電のデータを定期的にチェックしています。夜間だけ街灯を点灯するので夜昼の変動はありますが、これまで半年ほど一定であった電力消費がある時点から階段状に増加していることに気が付きました。調べると使用する必要のないポンプに電源が入れられ無駄な電気が使われる状態になっていました。これはもっと早く気づきたい事象です。
 以前、太陽光発電システムの故障を検知してメール通知する仕掛けを紹介しましたが、今回のような未知のパターンの異常は検知することができません。未知のパターンの異常であっても検知できる仕掛けであれば、今回の事象ももっと早く気が付くことができたのではないかと考えました。いわゆる今どきのAIの活用です。もっと的確に表現するとディープラーニングの活用です。この方法なら、以前に自動化した故障判断アルゴリズムもまとめることができるでしょう。
 ということで、太陽光発電のデータチェックをAI化してみます。

太陽光発電の経年劣化による発電量の減少とメーカー保証について

前回の解析に続いて、経年劣化の状況を整理しておきます。最初に実際のデータです。7月の発電量のうち発電量が最大だった日のデータを年ごとにプロットしたものです。3つとも劣化していることが分かります。変更の影響を受けている部分はありますが、全体的な傾向から劣化していると言ってよいでしょう。

このような経年劣化に関連した保証しているメーカーもあります。まずはその辺から、保証内容にまとめたサイトもありますので全体像はそちらを参考にしてください。ここでは、経年劣化に関する保証内容のみをまとめます。

メーカ名10年保証11年以降
パナソニック JIS C 8918の7.1(性能)に示された公称最大出力に対して、10年で81%未満 25年で72%未満 ※1
シャープ JIS C 8990で規定するAM1.5、放射照度1,000W/m2モジュール温度25℃、最大出力の90%を基準にしてその90%11-15年 85%
16-20年 80%
京セラ公称最大出力の81%10-20年 72%
東芝 JIS C 8918の7.1(性能)に示された公称最大出力に対して、10年で81%未満 25年で72%未満
長州産業 CIC JIS C 8918 に示された公称最大出力に対して、81%未満 11年目から15年間 :72%未満※1
ソーラーフロンティア 公称最大出力の交差範囲内の最小許容値に対して10年で10%以上低下 20年で20%以上低下

※1:手続きをいろいろしておかないと保証書も発行されない仕組みになっている。みんなちゃんと手続きをしているのだろうか?

上の通り81%未満のメーカが多い。公称最大出力を基準としているところが多いが、実際の発電量と見比べたとき、何パーセントになったときに保証されるものなのか非常に分かりにくい。上の実際のデータで見てもわかるように10年で初期の発電量の80%程度になることは当たり前のように推測されます。

 そして、どうなったら「保証の対象」つまり保証の基準を下回っていると判断されるのかをメンテナンス会社に聞いてみましたが、判断基準や確認方法についての返事は帰ってきませんでした。 80%とか70%の微妙な数字では、「天候や太陽高度の影響により変わる」というごく当たり前のことをいって保証の対象外とされています。たぶん出力が初期の50%以下になるとか極端な数値にならないと保証されないでしょう。

2013年7月
発電量(1日分)
2019年7月比率
劣化度
site154.0kWh45.584%
site232.027.686%
site365.655.785%

上表のように発電量は10年で初年の80%程度の発電量となるので、発電収入などを見積もるときは平均的にこの程度の劣化があるものとして見積もったほうが良いでしょう。

活動量計 T-PRO Lifesense band2の電池の持ちと電池が切れるまでの挙動

以前に8/1ころにと書きましたが、本日(7/30) T-PRO Lifesense band2の 電池が切れました。その、 スマートウォッチ T-PRO Lifesense band2の心拍計オフとオンのパターンでの電池の持ちのチェック結果です。

結果は次の通りです。1回のフル充電で心拍計オフなら21日間、心拍計がオンなら4日間使えます。後半に電池の減少ペースの変化が激しかったのは利用方法によって発生しているのかと思いましたが、製品の動作をそのようにして使えない状態が発生しないように工夫しているような気がしてきました。詳細は下に書きます。

40%を切ったあたりから電池の減りが急になり、10%のところで長時間滞留しました。実際にはありえなさそうなくらい長時間10%だった、つまり通常1日あたり4から5%消費されていたのに、ほぼ1日10%で維持されていました。 また、10%のところでバイブレーション機能が動作しました。1秒くらいの振動が3回ありました。どこかで設定したのか、設定できないのかはわかっていません。アラーム設定では15秒と設定したので、その数値とは違うようです。
この振動による通知があるように、
利用者に電池切れを早めに提示して電池切れを回避するように工夫されているのではないかと推測されます。 訂正・補足(2020/1/27追記):字消し線で消した部分は間違いでした。このバイブレーションは電池残量とは関係ありません、設定した目標の歩数を達成したときに動作するものでした。


それから、9%の段階では操作もでき、歩数の計測など各種機能は機能していました。
その後、電池が切れている旨の表示となり、残量が何パーセントなのか確認できない状態に移行します。その状態では時刻しか確認できません。歩数の確認ができないため、この時間帯に歩数カウントができているのかどうかは確認できていません。
心拍計オンの時は10%を切った後も歩数カウントをしていたように見えていましたが、再度確認する予定です。
そして、電池が切れて時刻表示もなくも表示できない状態になります。この状態で1時間ほど放置した後に充電してBluetooth連携を行いました。

最後に。電池が切れてしまったら、どこまでのデータを回収できるのかみてみました。電源が切れる5日前から Bluetooth連携していません。この状態からBluetooth連携して、前回連携していた後の続のデータから、電池が切れるまでのデータ少なくとも時刻表示のみのモードになったところまでのデータを回収することができました。

購入前から、他の製品(Newpower とかitDEAL 活動量計)では2日くらいしか電池が持たないとか約2~6日間(anemos fit AW-002 山佐、GanRiver というレビューなどの情報があったので、気にしていました。3週間持つという結果から電池の結果による製品寿命も長くなるので安心して使えそうです。

全く話は変わりますが、6年前に買った携帯電話は1回の充電で1週間ほど持ちます。いまでも問題なく使えています。充電池は充電を繰り返すことによって劣化していくので、1回の充電でどれくらい長く持つかはどれくらい劣化せずに使えるかに直結すると考えています。そんな感じで気に入ったものを長期間使いたいので電池の持ちは重要ですね。

トマトの開花から収穫までの期間

以前にトマトの収穫時期について検討しました。「トマトだと800~1000℃(品種によって違います)ミニトマトだと750~850℃(品種によって違います)くらいです。」という情報がありました。そして、いま植えている品種の状況が見えてきています。6/22に開花していた分は7/17から7/27に収穫しました。6/29に開花していた分は7/28ころから収穫し始めました。

収穫の時期に幅がありますが、開花のほうも幅があり微妙ですが、上記の期間の累積温度は、6/22分は660℃から905℃で、6/29分は742℃以上です。

上の図からこれから気温が上がってくるので、開花から28から32日くらいで収穫できそうな状態です。今日も開花しているものがあるので、8月後半くらいまでは確実に、毎日大量にトマトを収穫できそうです。日々の消費量を上回る量を収穫できているので、料理レシピなど使い方を工夫が必要そうです。

位置情報を利用するサービスと位置偽装

現在、自分がいる位置(個人情報)を利用しているサービスが多数あります。この個人情報の位置づけと位置偽装?とそれぞれのサービスについて書きます。

まず、自分がいる位置は個人情報にあたります、よってこれを利用するサービスは事前に位置情報を利用する旨のメッセージを提示します。この位置情報はいろいろな方法で取得されたもので、その精度や正確性に違いがあります。

1)GPS
3つ以上のGPS衛星からの電波をもとに高度もふくむ位置を特定する仕組みです。 空がある程度の範囲で見える場所であればどこでも位置特定することができます。 利用するにはGPS受信機を内蔵している必要があります。受信モジュールの値段は1000円ちょっとくらいです。それなりの値段の端末なら搭載しておいてほしいところですが、GPSが搭載されていない端末もあります。そのような端末やGPSの電波が届かない場合は、後述の方法を組み合わせて位置特定をしています。

2)携帯電話基地局
  携帯電話が通信している基地局から場所を特定する仕組みです。携帯電話がつながる場所であれば位置特定できるため部屋の中などGPS電波が届かないような場所でも利用です。ただし携帯電話の契約がない場合は利用できません。また、位置特定の精度は1つの基地局でカバーする範囲のどこかとまでしかわからないので、GPSよりも精度は落ちます。

3)WiFi
GPS等で特定した位置情報とその場所で取得したWiFiのMACアドレスがマップ化されています。現在位置で検出されたWiFiのMACアドレスから位置を特定します。特定のWiFiアクセスポイントに接続可能な範囲は携帯基地局に比べて比較的狭いのでその分精度が高くなります。また、複数のWiFiのMACアドレスを使用することでさらに精度を高めています。1)、2)はほぼどこの場所でも利用可能ですが、町から外れるなど民家がなくWiFiがない場所では位置特定できなくなります。また、位置特定できても一見なぞのように感じられる位置の誤認識が発生することがあります。そして、MACアドレスは公のものではありません個人所有の機器に付随した情報です。該当機器は自由に持ち歩くことができ、別の場所に配置することは何の問題もありません。よって、WiFiで提供される位置情報は正しいとは限りません。

4)プロバイダ局
インターネットプロバイダがIP紐づけしている場所が位置として認識されます。どのような仕組みで特定して(決めて)いるのかはプロバイダによって違うものと思われます。以前、私が契約していたプロバイダの場合は、数百キロ離れた東京のある場所にいるものとして扱われていました。今は、すぐ近くですが800mくらい離れた場所が現在位置として扱われています。以前に書いた”空の状態”の位置です。
これは携帯端末とは関係なく有線で利用しているインターネット上で位置特定するものです。前述の通り精度はプロバイダ依存ですがはっきり言って適当な固定位置が返却されると考えたほうが良いでしょう。

 1)2)はほぼ間違いがない位置を特定できますが、4)は適当、3)に関しては誤認識や偽装が起こりそうで、認証など確実に位置特定する目的で利用するのは問題がありそうです。

上記のような位置情報ですが、次はこれを利用しているアプリケーションやサービスの側から見てみます。

■便利にするために利用しているもの。

地図情報や、乗り換え検索などの初期の位置に利用している。
→ 正しく動作するかどうかだけで、機能すれば便利に使える
カーナビなどナビゲーションなどリアルタイムでの現在位置を利用している
→現在位置を取得するべき機能なので正しい現在位置が取れないと意味がない

マップ

→ 現在位置でないと不便なアプリケーション

ナビゲーション

現在位置が取れないと意味がないか役に立たたないアプリケーション

■サービス範囲を制限するもの
radiko
     → エリアフリーなどの有償サービスとの差別化の1つの手段として利用しているもの。確実に差別化?仕分けしたいなら、GPSで取得した位置情報の場合にのみ利用可能にすればよい。しかし、GPS電波が届かない場所など利便性を考えればほかの方法で取得した位置情報も許容するほうが良いかもしれない。しかしそうすると、意図せず発生した位置偽装状態のものを許容するしかなくなる。この挙動を活用することで、前述の方法で位置偽装によりサービス利用が可能となる。  

■AR/VR ゲーム

PokemonGO 

位置情報をアイテム取得などの要素に取り込んだゲームアプリケーションです。位置偽装によりゲームを有利に進めることが可能なため、位置偽装を行うアプリケーションが多数あり、PokemonGOのメーカではその不正を見つけてアカウントの無効化を行ったり、位置偽装アプリケーションを使えないようにしたるするなど、偽装とその対策のいたちごっこが起こっています。

魔法同盟 (ハリーポッター)
 

→PokemonGOとマップは同じような感じです。同様に位置偽装とアカウント無効化のいたちごっこが起きそうなアプリケーションです。

■GPSアート
 →どういう分類にするのが良いか微妙ですが、自己満足?のためなので現在位置でないと意味がなく、たぶんGPSでの測地でないと対応できない場所が多いはず。なので、ここでは取り扱う対象外です。

■その他

GPS鬼ごっこ
→ このアプリケーションの場合、位置偽装の組み合わせでチートなど面白いことができそうですが、さらにこのアプリケーション自体でなにかできそうな気もします。

アプリケーションによりいくつが分けられますが、位置偽装したくなるアプリケーションは多数あります。位置偽装ならぬ位置誤認識を利用して位置偽装をすることもできそうです。上述の通りすでに実績もあります。偽装なのか誤認識なのかサービス側では区別できないように思います。区別できるくらいなら誤認識しないようにしてほしいです。


活動量計その後

以前に書いた、 スマートウォッチ T-PRO Lifesense band2の電池の持ちのチェック結果ではなく途中経過です。心拍計をオフにした状態での測定中で、まだ電池は持っています。

前回の4日目までの結果から21日くらい持ちそうとしておりましたが、16日目までの電池消費状況から推測するやはり21日くらい持ちそうです。近似直線を下回る波が多少あります。このときに何をしていたかというと運動はほとんどしていません。Bluetooth接続もしていませんでした。通常あまりしない態勢をとっていたくらいです。このためスマート ウォッチ のディスプレイはオンになる頻度が高くなったのではないかと推測します。

つぎは、どこまで持ったかを書きます。8/1ころになりそうです。

個人情報流出?で作られた現代の(電波)灯台 その2

WiFiのMACアドレスと位置情報をもとにしたWiFiベースのGPSの件です。GoogleにMACアドレスが登録されているかどうか、登録されているとすると具体的にどの場所にあると登録されているのかを調べてみました。
 まず、確認するサイトについて書かれているページがありました。 このページにMACアドレスと3つないし2つ入力することで、位置情報を確認できます

”空の状態”、「 00:00:00:00:00:00」で、確認できる位置は、アクセスしている自分の位置がどこなのかをプロバイダ経由で所得された場所と思われます。ここにMACアドレスを色々入れて確認してみました。
まず、あるアクセスポイントで取得した干渉候補の無線LANの情報一覧を利用してみます。この情報には一覧には36個のMACアドレスがありました。このうち6個は自分のAPのものでした。そのほかの30個の中にはMACアドレスとSSID名から同一APのMACアドレスと判断できるものが、4セットありました。このセットをそれぞれ入力するとばっちりどの場所にあるのかを特定できてしまいます。
 

それぞれ入力すると最も遠いところは500mほど離れていました。かなり強力な電波を発しているAPもあるようです。それから、2個入力しても、”空の状態”と同じ位置を示す組み合わせが出てきます。これは位置情報をMACアドレスから取れていないこと、つまりこの組み合わせのどっちかのMACアドレスの位置情報が登録されていないことを示します。これもMACアドレスがどのように登録されているのかの検証に利用できます。
 このような検証を通して、確認できたことは次の通りです。
・「_optout_nomap」をSSIDに付加しても、すぐにはMACアドレスと位置の情報は無効にならない。
・ MACアドレス と紐づいている位置はだれでも簡単に参照することが可能である。つまりMACアドレスは住所と同じ個人情報に相当する。
・MACアドレスが1個しかわかっていなくても、ある程度近い位置にある位置を特定済みのMACアドレスと組み合わせることで、位置を特定することができる。500mくらいの精度で場所が分かればと特定はできそう。
・マルチSSIDや、2.4GHzと5GHzの複数チャンネル利用などを利用しているAPが3割程度ある。その情報から位置を特定できるMACアドレスが多数ある。

代替仕組みはわかりました。そこで、無線LANメーカへのコメントです。 個人情報流出につながるおそれがあるので、マルチSSIDやマルチチャンネルで使用するMACアドレスは連番ではなく容易に想定できないものにするべきです。