WordPressの推奨環境がPHP8に! 互換性エラーを防ぐためのチェックリストと実践的移行ノウハウ

最近、Webサイト構築の定番である WordPress が、推奨する PHP のバージョンを上げつつあります。これを受けて「PHP 7 から PHP 8 に切り替えよう」と検討された方も多いと思います。
ただし、安易に「バージョン切り替え=完了」ではなく、実装しているプラグインやテーマ、カスタマイズ部分によっては、PHP 8 への切り替えでエラーが出たり画面が崩れたりするケースがあります。
本記事では「私が実際に PHP 8 へアップグレードしようとしたら、実装の一部が対応しておらず調査・対策した」経験を元に、ノウハウを整理しました。たとえ実績の少ない開発でも、手順を整えておけば安心です。


1.主な作業の流れ

No.工程名主な目的・内容チェックポイント
2作業方針の確認作業範囲と進め方を明確化。対象環境や切替手順を決定。ステージング環境/バックアップの準備
3PHP7と8の差分確認主な仕様変更・互換性リスクを整理。影響範囲を洗い出す/公式移行ガイド参照
4チェック方法の確立テスト観点・確認手順を定義。どのツール・方法で検証するか決定
5チェックの実施実装・テーマ・プラグインを実際に検証。エラーログ・動作確認・機能テスト
6対処の実施問題箇所を修正・更新。プラグイン更新・コード修正・代替策検討
6最終確認全体の再確認と安定性テスト。表示・機能・ログ・速度の最終チェック

以下では、この流れに沿って各ステップを詳しく解説していきます。

2.作業方針:まず確認すべきこと

最初に、「どこを対象に、どのように切り替えるか」を決めることが非常に重要です。以下のような観点で作業方針を固めましょう。

  • 作業範囲の特定:運営中のサイト全体を対象にするか、一部(テスト環境・ステージング)から行うか。
  • 切り替え手法の確立:レンタルサーバーなどでは GUI で PHP バージョン切替が可能な場合もあります。ただし、GUI切替後も実行時のバージョンが想定と異なることがあるため、必ず確認手順を設けます。
  • リスク把握とバックアップ準備:テーマ/プラグイン/カスタムコードが PHP 8 に未対応の可能性あり。何かあったときに戻せるよう、バックアップ体制を整えておきます。
  • ステージング環境の活用:本番サイトを直接切り替えるのではなく、テスト環境で確認した上で本番移行するのが安全です。
  • スケジュールと役割分担:誰が何をいつまでに確認・対処するか明確にします。

このように「方針を整える作業」が、後工程での混乱を防ぎます。


3.バージョン差分の理解:PHP 7 ⇒ PHP 8

PHP 8 へ切り替える前に、PHP 7 と PHP 8 の違いを把握することが不可欠です。主な変更点を整理します。

3-1. 新機能/言語仕様の改善

例えば以下のような改善があります:

  • 名前付き引数(Named Arguments)やコンストラクタプロパティプロモーションなど、コード記述効率が向上。 (Liquid Web)
  • nullsafe 演算子(?->)など、ネストオブジェクトアクセスの安全性向上。 (bounteous.com)
  • ユニオン型(Union Types)など、型宣言の拡張により、より堅牢なコード設計が可能に。 (Lets Go Dev)
  • JIT(Just-In-Time コンパイラ)導入など、実行性能改善の下地あり。 (bounteous.com)

これらは “メリット” であり、将来的な保守性・性能に寄与します。

3-2. 互換性・注意すべき変更(リスク)

ただし、PHP 8 には互換性を壊す変更もあります。以下、代表的なものです:

  • 文字列と数値の比較挙動が変わっています。例えば、PHP 8 では “文字列” → 数値変換ではなく、数値 → 文字列に変換され比較されるケースがあります。 (Medium)
  • リソース型がオブジェクト型に返る関数が増え、「is_resource()」でのチェックが通らなくなる場合があります。 (Medium)
  • エラー/例外の扱いが厳しくなっています。例えば、ゼロでの除算が例外を投げるようになったり。 (Medium)
  • 多くの拡張機能や関数が非推奨または削除されています。切り替え前に公式マニュアルの “Migration” ガイドを参照すべきです。 (php.net)
  • プラグインやテーマ、それにカスタム実装が PHP 8 を想定していない可能性あり。例えば、引数の型や戻り値型、メソッドシグネチャが変わる場合があります。

このように、ただボタンを押して切り替えるだけでは “事故” が起こる可能性があります。


4.チェック/確認方法:実務的手順

では、実際にどのように確認を進めればよいか。「効率的にチェックをするための流れ」を整理します。

4-1. 確認観点の整理

事前に「チェックすべき観点」を整理しておくと作業がスムーズです。例えば:

  • 使用しているプラグイン・テーマ・ライブラリが PHP 8 に対応しているか/推奨バージョンは?
  • カスタムコード(functions.php や独自プラグイン等)が非推奨関数・構文を使っていないか?
  • データベース接続や PDO/mysqli などのドライバが新バージョンで問題ないか?
  • エラーログに “Deprecated” や “Fatal” が出ていないか?切替前に確認を。
  • GUIで切り替えた後、本当に PHP 8 で動いているか?(CLI や phpinfo() で確認)
  • ステージング環境でフロント画面・管理画面・投稿・メディアアップロード・キャッシュクリアなど主要機能が正常か?
  • 外部 API や Webhook連携、カスタムフィールド、テーマ内カスタマイズが影響を受けていないか?

4-2. 確認手順の確立

実践として以下手順を推奨します:

  1. ステージング環境を用意。現行 PHP 7 で動作確認済みの状態にしておく。
  2. バックアップ取得(ファイル・データベースとも)。
  3. GUI 等で PHP バージョンを PHP 8 に切り替え(レンタルサーバー等で可能な場合)。
  4. phpinfo() あるいは php -v(SSH 利用可なら)で切り替わっているか確認。GUIと実際のバージョンが異なるケースありです。
  5. ログを確認:エラー/警告が出ていないか、特にdeprecated・fatal。
  6. フロントエンドと管理画面を隅々まで操作:投稿作成/編集、メディアアップ、プラグイン設定、キャッシュクリア等。
  7. プラグイン・テーマを一つずつ無効化→有効化テストも有効。
  8. 必要であれば自動テスト・ユニットテスト・UIテストがあれば実行。
  9. 問題があれば該当コードを保護しつつ、本番移行日を調整。

この「チェックの実施」を丁寧にやることで、不慮のサイトダウンや画面崩れを防げます。

問題個所の抽出用シェルプログラムサンプル

以下は、sshでログインして、チェックしたいディレクトリ(サブディレクトリ含む)で、実行することで、問題個所抽出するコード(サンプル)です。環境に合わせてバージョン設定などの調整が必要です。

$>  PHP_BIN="/usr/bin/php8.1" find . -name "*.php" -type f -print0 | while IFS= read -r -d '' f; do head -c3 "$f" | grep -q $'\xEF\xBB\xBF' && { echo "BOM除去: $f"; sed -i '' '1s/^\xEF\xBB\xBF//' "$f" 2>/dev/null || sed -i '1s/^\xEF\xBB\xBF//' "$f"; }; "$PHP_BIN" -l "$f" 2>&1 | grep -v "No syntax errors" | grep . && { echo "構文エラー: $f"; echo; }; done; echo "チェック完了(PHP 8.1: $(/usr/bin/php8.1 -r 'echo PHP_VERSION;'))"
チェック完了(PHP 8.1: 8.1.32)

5.対処:問題が見つかったときの対応方針

チェックの結果、何らかの問題(エラー、崩れ、警告)が出た場合の “対応” を以下のように整理します。

5-1. プラグイン/テーマの対応

  • 利用中のプラグイン・テーマが PHP 8 非対応であれば、アップデート可能かを確認。開発者がサポートを打ち切っている場合は代替を検討。
  • テーマ・プラグインの開発版・互換版が提供されていれば、それに切替。
  • カスタマイズが多いテーマ(子テーマ含む)は、PHP 8 対応コードが含まれているか、開発元に確認。

5-2. カスタムコードの修正

  • 非推奨関数・構文を使っている場合:公式マニュアルの “Backward Incompatible Changes” を参照。 (php.net)
  • 例:文字列⇔数値比較の挙動変化、リソース → オブジェクト返却、除算ゼロの例外化など。 (Medium)
  • 型宣言や戻り値の型が厳しくなったため、関数の引数・戻り値を見直す。
  • 自動変換ツール・リファクタリング支援ツール(例:Rector)を活用するという事例もあります。 (Reddit)

5-3. 最速リカバリ手段も用意

  • 本番移行中に不具合が出そうな箇所があれば、切り戻し可能な状態(バックアップ/リカバリ手順)を確保。
  • 本番移行直後はアクセス数が少ない時間帯を選ぶのも有効。

5-4. 独自実装コードの修正

5-2.項と同じですが、ここでは実際に検出した事例を紹介しつつ、もう少し深堀してみましょう。
このページではつぎの1つだけを書きます、そのほかの詳細は別ページにまとめますので参考にしてください。

PHP 8 では、PDO::prepare() 後に execute() する前に beginTransaction() を呼び出すと、
PDOException: There is no active transaction が発生し、commit() 前に例外でスクリプトが終了 します。

この問題は4-2.項に書いた構文チェック(PHP -l *.php) の方法では検出できません。 php実行で動きが変わったことで検出はできますが、事後検出となってしまいます。エラーログでも検出できますが、例外catchして捨ててしまっていると情報が得られません。 このようなものもまとめて検出する仕掛けも用意したほうが良いでしょう。





6.最終確認と移行後のフォローアップ

移行が完了したら、以下の「最終確認」と「フォローアップ体制」を整えておきましょう。

  • フロント・管理画面ともに主要な操作をもう一度全体的に確認。
  • エラーログ・サーバーログを監視し、想定外の警告/エラーが出ていないか。
  • アクセス数の急変やページ表示速度の変化がないか、モニタリング。
  • プラグイン・テーマの更新状況を定期的にチェック。PHP 8 対応が正式にされていないものがあれば優先的に対応。
  • 将来バージョン(PHP 8.x → 8.y/9 が出た場合)にも備えた“アップグレード体制”をあらかじめ整えておく。

7.まとめ&今後の視点

  • PHP 8 には多くのメリット(性能向上、モダンな構文、型安全性向上など)があり、可能であれば早めの移行がおすすめです。 (bounteous.com)
  • ただし、「すぐに切り替え=安心」ではなく、既存実装・プラグイン・テーマ・カスタムコードが PHP 8 に対応しているかを丁寧に確認・修正する必要があります。
  • 本記事で紹介した「作業方針→差分理解→チェック手順→対処→最終確認」の流れを実践すれば、移行時のリスクを大きく下げることができます。
  • 今後、PHP 自体のバージョンアップ(例えば PHP 8.1/8.2 以降)も視野に入れ、「バージョンアップ可能な設計」「コードのモダン化(型宣言/非推奨箇所の排除)」を早めに進めておくと、将来的には“また大変”という状況を回避できます。
  • 最後に、移行後も「アクセス・表示速度・エラーログ」という観点を継続してモニタリングすることを強くお勧めします。

2022/3/10 に発生した地震の緊急地震速報のプッシュ通知状況、揺れる8秒前には状況が見えそう

2022/3/10 21:40頃に発生したM3程度の地震(規模が小さいので公開情報で規模等を正確に確認できていません)のhsboxの地震速報通知システム(システムについてはこっちを参照してください)でテレビに映した映像です。

最初に表示した映像は上の画像ですが、実はこれを表示する前にYouTubeの広告映像が10秒程度流れています。YouTubeが広告を流さないか、YouTubeプレミアムの契約をしていれば、本格的に揺れる8秒前には、つまり上の画像での赤の円のS波到達の8秒前にはどのくらい揺れそうなのかを把握できそうです。

今回通知の状況を記録した地震の震源は、三陸沖200kmほどのところでした。想定する震源やその場所によって状況は変わるでしょうが、南海トラフ巨大地震でも似たような距離で、似たような観測機器の整備状況であれば同様な結果になると推測されます。

下は実際に撮影した動画です。黒画面からスタートしますが、これは普通にテレビ番組を見ていて緊急通報画面に切り替わったところです。切り替わったところからカメラを置いて撮影開始しているのでその分の時間(だいたい2、3秒くらい)がかかっています。

このようにYouTube広告が流れるのは、2,3回に1回くらいの頻度です。広告が流れなければそれだけの時間余裕をもって情報確認ができそうです。

YouTubeさんには緊急性が要求されるコンテンツには再生開始時には広告を入れない(長時間流している途中であれば流れてもいいかなと思いますが。。)とか、検討して抱けると嬉しいですねぇ。

備えはしておくとして、本当に大きく揺れる数秒前にでも直前にこれから何が起こるのか分かれば少しは役に立つ何かできるのではないでしょうか? 

南海トラフ地震 :揺れだす前(S波が来る前)に状況把握できるようにしておきたい

南海トラフ巨大地震が 今後40年以内に発生する確率は「90%程度」 といわれている。明日にも起こるかもしれないかもしれないが、だいぶ先かもしれない。かといってずっと身構えているわけにもいかない。ちょっと揺れたからと言ってびくびくするのも疲れる。そこで、揺れる前にそれが巨大地震かどうか、どの程度の地震かわかるようにできれば、本当に揺れ始めるまえ数秒間に準備ができるだろう。かなり前から揺れ始める前にエリアメールで警報を受け取れる状態にはなっている。しかし、震源地や地震規模の情報は揺れ終わってから受け取る感じになっている。つまりアラートが鳴ってもどの程度の規模の揺れなのかを把握できていないので大げさな回避行動をとることはないだろう。これでは、本当に大きく揺れたときにその場にとどまるので精一杯かもしれない。

 そこで、実際に揺れだす、どの程度前に状況把握できるのかトライしてみます。具体的には普通に生活している状態で、リアルタイムで監視されている地震観測網の情報での地震検知をキーにしてテレビに表示する。最初にテレビに表示された情報で、どの程度余裕をもって確認できそうか見る。

 構成は次の通り。

「イベント通知」、「緊急地震速報ライブ」は複数方法がありそれぞれ選択することができます。
ここでは、すべて無料で構成できて、もっとも早く情報を得ることができるものを試してみます。

■システム構築、設定方法、設定手順
0)「イベント通知」方法の選択。 気象庁から提供されるリアルタイムデータなどをもとにしたイベントを使用します。いろいろなAPIでイベント情報が提供されていますが、できるだけ早いタイミングで(エリアや震度など)自分が欲しい情報拾えるものであればと何でもよいです。状況によっては有料のものを選択してください。IFTTTなどの連携Webサービスと組み合わせて連携する方法もあります。
ここでは、無料のものうちでも早い「強震モニタExtension」を選択しました。

1)Chromeにプラグイン 「強震モニタ Extension」追加します。
  1-1)右上の「:」(点は3つ)をクリック
   →「その他のツール」→「拡張機能」
1-2) 拡張機能の上の検索欄で 「強震モニタ」を検索
    ” 強震モニタ Extension”が見つかるのでこれを有効化する。
2) 「強震モニタ Extension」の設定
  2-1)Chromeを再起動
2-2)右上の金槌のようなアイコン(拡張機能)をクリック。
  2-3)一覧の中より「強震モニタ」をクリック
2-4)開いた 「強震モニタ」 ウインドウの真ん中下の「設定」をクリック
2-5) ”設定1”タブでエリアや通知震度などを設定
2-6)”設定2”タブで地震情報の送信URLを設定
※設定するURLは後述
3)hsbox(freeBox)を構築します。
詳細手順はつぎのURLを参照:利用開始までの準備
4)テレビに表示したい「緊急地震速報ライブ」などの対象を選択します。
URLを確認します。
例:https://www.youtube.com/watch?v=tcRvI1rSokk
このURLのパラメータ部分「 tcRvI1rSokk 」をコピーしておきます。
※このURLは時々変わるのでそのたびに更新が必要です。
5)hsbox(freeBox)での設定確認
  パラメータでYouTubeをhsbox(freeBox)でテレビに表示できるか確認します。 スマホ向けの画面”コマンドボタン”を使ってテレビに表示するボタンを作成します。作成したコマンドボタンにポイントして、hsbox(freeBox)の操作用URLを確認します。
6) 「強震モニタ Extension」のURL設定
  上の 2-6)のURL設定に 5)の操作用URLを設定します。
  操作用URLの大体のパラメータ構成はつぎのとおりです。
http://<hsboxのIP>/sp/cbtn.php?tgt=<対象のデバイス名>&p2=<テレビに表示するYouTubeのパラメータ>&cmds=1

設定は以上です。

■検証状況
震度0未満の地震はかなり頻繁に発生しています。ゆれが到達する範囲が狭く、あまり参考にならないので、震度2以上の場合にイベントを飛ばして確認中です。映像データが取れたら公開しようと考えています。これまでに何回か震度3クラスの表示を見ることができています。震源地がどこなのかにもよりますが、感触としては揺れる3から5秒前に表示できそうです。継続して確認してみます。

2022/3/11追記 ■2022/3/10に発生した地震での検証結果を掲載しました。→ こちらへどうそ

Google home,nest でプッシュ通知、リモートから操作してみる(hsbox使用)

以前にプッシュ通知について紹介しました。

今回は、リモートからの操作ということで、色々操作してみる方法の紹介です。
先に紹介したhsboxの使い方は高度なメニューを利用する方法でプッシュ通知をする方法でした。今回リリースされた無料版hsbox(freeBox)ではWeb画面からスマートディスプレイやスマートスピーカーを操作できます。

freeBoxでは、次の操作を利用することができます
・URL指定での動画(mp4)、音声(mp3)、画像(jpg)を再生する
・YouTube動画をYouTubeのパラメータで再生する
・文面(テキスト文字列)で指定した音声を再生する

操作方法の詳細はhoscmのサイトを参照してください

※画像:hoscmサイトより

  

hsbox1.1.4 無料版リリース

下の動画:YouTubeより hsbox起動時にスマートディスプレイを見つけるとこの動画を再生します。

hsboxやfreeBoxはあまり手間をかけることなく今回紹介した以外にもいろいろ応用ができるのでプッシュ通知やスマートディスプレイの活用をしてみたいかたは試してみるのもよいでしょう。

ぐるぐるnest hub その1 インターネット未接続となる問題  徹底調査で解決 smart

「WiFiに繋がらない」、「インターネット未接続となる」などで検索すると多数の記事が見つかり、そこには「使用デバイスの不具合」、「無線LANルーターに不具合」などの記載があり、その対処は「スマートフォンの機内モードのONとOFFを切り替える」とか「スマートフォンのネットワーク設定をリセット・再設定」とか書いている。その対処で動くようになることがあるかもしれないが、原因が特定できておらず、再発する可能性が高い。つまり解決したことにはならないことが多々あるに違いない。

  ここでは、ほかのサイトに書かれていない(稀な?)パターンの調査&解析とその解決までの記録である。 タイトルを「ぐるぐるnest 」としたが”その1”ではnestの話を書こうとしていたところ発生した別パターンのトラブルについて書く。

症状:

AndroidスマホをWiFiにつないで使用していた。ある時点までは問題なくWiFiを利用できていたが、部屋を移動して別の無線LANを使用して元の部屋に戻ってきWiFi接続を切り替えるとWiFi(無線LAN)には接続できているが「インターネット接続なし」となりネット利用できなくなる。
 同じ無線LANに接続してほかのIoT機器(Google home、SiwtchBotHubやNature Remo)はインターネットに接続できている。

 この状態で、他のサイトの記事を参考に対処するなら、Androidスマホの再起動や、WiFiオンオフの設定や無線LANの再起動だろう。 いずれの対処も効果なく症状に変化はなかった。過去には似たような症状のときに、無線LAN再起動することで復旧したことはあったが、今回はそのパターンではなさそう。
「原因特定なくして解決なし」ということで原因調査を開始した。

解析編:

まず大まかな切り分けから。
 よくあるサイトの対処手順を参考に切り分けてみる。
1. まずスマートフォンそのものが壊れていないかを確認
  他の無線LANにつないで使う分には問題なく使える
→ 「 スマートフォン そのものの故障」ではない
2.「スマートフォンの機内モードのONとOFFを切り替える
  OFFにするとつながらない。ONに戻しても「インターネット接続なし」の状態に変化はない。 →「機内モード」の問題ではない
3.「スマートフォンのwi-fiのONとOFFを切り替える
OFFにするとつながらない。ONに戻しても「インターネット接続なし」 の状態に 変化はない。 →「WiFi ON/OFF」の問題ではない
4. 「スマートフォンのネットワーク設定をリセット・再設定
 無線LANに接続できているので、スマートフォン側の設定の可能性は極めて低い。もし、設定の問題だとしてもいきなり再設定ではなく設定が妥当か確認する作業が必要だろう。 ということで、後で確認する。
5.「スマートフォンを再起動
スマートフォンが異常な状態になっているなら、これで復旧するかもしれない。
 再起動しても 「インターネット接続なし」 の状態に 変化はない。 →  一時的な異常な状態という問題ではない。

 ということで、よくあるWiFi接続問題を取り扱うサイトには書かれていない何らかの問題が発生していると推測された。

戻って、スマートフォンのネットワーク設定を詳細確認してみた。 設定詳細を開くと、スマートフォンに払いだされたIPとゲートウェイIPは目を疑うものだった。いや、これではインターネットにつながるはずがない。これで、無線LANに接続できているのにインターネットに接続できない直接的な原因は理解できた。
 なぜそうなったかの調査と根本対策は。ここから始まる。
とりあえず復旧させてみよう。”プライバシー….” という項目を長押しするとMACアドレスをランダムにするかデバイス固有のものにするか切り替えることができる。これを使ってIPアドレスをDHCPに再払い出しを要求してみる。 とりあえずIPアドレスは想定通りのものに変わりインターネット接続は復旧した。
 →これで、 「インターネット接続なし」 の直接の原因は”割り振られたIPアドレスにある”ことが確認できた。

 問題の「目を疑ったIPアドレスとゲートウェイIP」は、遠く離れた場所に最近追加した無線LANの無線LAN側のDHCP設定で指定したものだった。
 ここまでの状況を図で整理すると次のようになる。


この挙動は、かなりありえないことが起きていそうなことが理解できるだろう。ただ、事実起きているのだから、この事象発生には何か原因があるのは間違いない。こういう問題は、”ありえない”と最初から起こりそうにないことを除外してしまうと永遠に解決できなくなる。切り分け調査を一歩一歩進めるのが解決への近道である。

 さて切り分けをどうするかを考えようとしていた矢先、「インターネット接続なし」問題が再発した。 今度は、  ”プライバシー….”を使ってIP再払い出しを試みるも復旧しなかった。なおかつ、IP再払い出し要求をするたびに確かにIPが変わっている。そのIPは無線LAN③用のものだ。無線LAN③からIPが払い出されているのは間違いなさそうだ。では、どのような経路で払い出されているのだろう。WiFi接続の認証後、IP払い出し要求するときに無線LAN③からの電波を受け取っているのだとしたら、… 
 無線LAN③の電源を切ることで解決できそうだ。しかし、必要だから無線LAN3を用意したわけで、いつも電源を切っておくわけにはいかない。そこで、まず電源は切らずに無線LAN③のWAN側のケーブルを抜線してみる。

暫定対処

無線LAN③のWAN側のケーブルを抜線して 、スマホで「 IP再払い出し要求 」をすると正しいIPが払い出されて、インターネット接続に成功した。
 これで、このトラブルのメカニズムを理解できた。
ここまでの文面で分かる人は理解できたかもしれない。少し難解なところもあるので、再度整理しておこう。

トラブル原因と仕組み

仕組みは上の図の通りである。 問題は、無線LAN③のDHCP動作である。DHCPはLAN側設定であって、WAN側に流れるものではない。 無線LAN①に接続した機器は通常ブロードバンドルータが払い出したIPを利用する。これにより、IPは192.168.1.xxx、ゲートウェイIPは192.168.1.254となる。しかし問題発生時はIPが192.168.80.xxx、ゲートウェイIPが192.168.80.1となっていた。
 192.168.1.xxとなるか、192.168.80.xxとなるかは、どちらのDHCPからの応答が早いかなど運しだいという状況だったわけだ。スマホ以外のIoT機器に問題がなかったのはたまたまといってよいだろう。いつかは同じ状態に陥っていたかもしれない。また、IoT機器は設計上リトライ回数を増やすなどが我慢強い復旧策を実装しているのが効いているかもしれない。
 いずれにしても、根本原因は判明した。

根本対策

問題原因は分かり、無線LAN③のWANケーブルを抜くことで解決したが、192.168.80.x系のIoT機器が使えない状態なので、いつまでもこの状態にしとくわけにもいかない。
 
 無線LAN③の設定を見直してみる。 そもそも192.168.80.x系の通信がWAN側に漏れるのを防ぐべきで、基本的にはガードできているようだ。 だが、実際にDHCPのUDPパケットはWAN側から無線LAN③に到達して、それに対する応答をしている。 無線LAN③のWAN側パケットフィルタを見るとデフォルトで多数の設定が組み込まれているがDHCPパケットの破棄設定はなかった。

  そこで、DHCPパケットをフィルタリングすることとした。根本対策は、「ネットワーク構成変更jする際は、境界を越えてDHCPパケットが流れないように設定を確認する、また設定を行う」とする。
 ※ネットワーク機器メーカは妥当になるように製品開発を行う際は十分に検討・検証してほしい。

最後に

トラブルの対処法は、小手先の対処では再発する。根本原因を調査して根本対策しましょう。
  ちょっと、長くなりました。 タイトルの「ぐるぐるnest」は次の機会に書きます。このネタも今回と同じくらい長くなる予感がします。。。

関連記事

音声コマンドで、Google Nestやテレビ(Chromecast)にスマート非対応のWebカメラの画像を表示してみる(hsbox使用)smart

スマート対応されたIPカメラも登場してきていますが、現時点のWebカメラのほとんふどは未対応でしょう。そこでスマート非対応のWebカメラからGoogle Nestやテレビに映し出すことにトライします。もう一つポイントは”プログラミングしない”ということです。hsboxを使用し、設定だけで実現します。

システム構成:
IFTTTで 「Google Assistant」 をトリガに使用。
※機種によっては監視カメラ自体のアラームをトリガにできます

②IFTTTの 「Webhooks」で、hsboxのAPIを操作。

③ hsboxのメニューのコマンドで画像をURL指定指定して
スマートデバイスに 「cast」を実行

  ④ Google Nestなどの スマートディスプレイや、
Chromecastが WebカメラにURLにアクセスし
ディスプレイやテレビに画像を表示

ここでは、hsboxのスマートサービス連携機能クイックスタートガイドの設定が完了している前提で書きます。 つまり、「メニュー ゼロ」の呼び出しで、ディスプレイや テレビにhsboxのトップメニューが表示されるところまでの設定が完了している前提です。

■①トリガの設定、② 「Webhooks」 の設定

①、②は上記の前提条件の設定状態で完了しています。個別の「シングルワード」での呼び出し設定を行うことで、より操作しやすくなります。

■③メニューのコマンド設定

hsboxのメニューファイルをダウンロードします。設定変更していないなら、どのファイルも同じです。すでに変更していて、追加したい場合は、boxmenu.txtをダウンロードして編集します。

設定例:
 メニューの 625番に 玄関に着けたWebカメラ(http://192.168.20.50:80/snapshot.jpg)を表示するコマンドを登録してみます。

625番なので、 boxmenu.txt ファイルの626行目をつぎのように更新します。※ boxmenu.txt ファイル の行は追加削除しないでください。行番号がメニュー番号に対応しています。先頭行(1行目)が、メニュー0番なので、メニュー625番は、626行目に相当します。

302,http://192.168.20.50:80/snapshot.jpg,-,625: 監視カメラ (玄関),カメラ,-


関連記事

Google home ,nestに プログラミングなしでプッシュ通知をやってみる(hsbox使用)smart

以前、「雨が降りだしたら自動で排水」という記事を書きました。今回は、これを拡張して、”排水”の前に、「雨が降り出しました」と音声でプッシュ通知することにトライします。もう一つポイントは”プログラミングしない”ということです。hsboxを使用し、設定だけで実現します。

※hsbox無料版がリリースされました2022/1/24追記

システム構成:
    IFTTTで 「Weather Underground」 のトリガを使用。
※このイベントの精度を向上できるほかの方法がないか後日検討

IFTTTの 「Webhooks」で、hsboxのAPIを操作。

hsboxのメニューのコマンドでスマートデバイスでの
「文字列読み上げ」を実行

  Google home や Google Nestなどのスマートスピーカー、
スマートディスプレイ、 Chromecastを備えたテレビで
音声によるプッシュ通知

ここでは、hsboxのスマートサービス連携機能クイックスタートガイドの設定が完了している前提で書きます。 つまり、すでに「メニュー ゼロ」の 発話でhsboxのトップメニューが、ChromecastをつないだテレビやGoogle Nestに表示される状態ということです。
 
前提条件はここまでです。 以下は、プッシュ通知の設定方法です。

■プッシュ通知の設定する

まず、通知するためのイベントを設定します。
以前に作成したレシピに追加します。

以前「雨が降りだしたら自動で排水」レシピを作成したときは、まだ1つのレシピに1つのサービスしか実行できず、複数実行したいときはすこし技が必要でした。
現在は、下のように「+」を押すと実行するサービスを追加できます。
  降雨イペントの作り方は、以前に作成したレシピを参照してください。

複数のスマートデバイスへのプッシュ通知は、複数サービスを書くことで実現できます。

■通知サービスの設定

Webhooksの設定でつぎのようにURLを設定します。
自ドメインはグローバルIPアドレスでも可能ですが、通常は動的にIPアドレスが変わるのでDDNSを利用して取得したドメイン名を利用してください。
ポート番号は、ルータで指定したポート番号を指定してください。ルータで家庭内LANのIP、ポートに変換する良いでしょう。変換先はhsboxのIPとポート番号を指定してください。hsboxのIPは、ルータでのIP払い出しを固定化するか、hsboxの固定IP追加機能を使用して動的に変わらないようにするとよいでしょう。hsboxのポート番号は、hsboxの仮想サーバ機能のポート番号指定で任意のポート番号を指定してください。

上記の①から③についての設定について説明します。
①hsboxのboxapiキーです。
hsboxの「スマートサービス連携」で指定したキーを設定します。
②プッシュ通知を設定したメニューの番号です。
  「雨が降りだしました」 は、デフォルトで 333番に登録されているのでこれを指定します。 メニューに任意の通知メッセージを設定できるのでそれを使うこともできます。また、動的にメッセージを変えることも可能です。
③プッシュ通知を実行するターゲットのスマートデバイスコードです。
   「スマートサービス連携」の「グループ」設定に登録したスマートデバイスのコードを設定します。 tgtは指定しない方法もあります。指定しない場合は、hsboxに設定されているカレントグループにプッシュ通知されます。

POSTで設定する場合は、上のようにBodyを設定します。 GETでURLのみで指定することも可能です。

以上で、プッシュ通知をプログラミングなしで実現できました。
他にも工夫次でいろいろできそうです。

関連時期

WordPress5.4.2セキュリティ修正リリース   5.2.7も自動適用

 2020/6/10にWordPress5.4.2がリリースされた。これにはセキュリティ修正が含まれている。 修正 https://core.trac.wordpress.org/query?milestone=5.4.2&group=component&col=id&col=summary&col=milestone&col=owner&col=type&col=status&col=priority&order=priority

 このリリースにはセキュリティ修正のほかに強化も含んでいる。5.4系を使っているなら上げるほうがよいだろう。 5.2系は 5.2.7でとりあえずよいのか…。 5.2.6、5.2.7の修正内容は見えない感じです。

パッチはリリースしているのに、修正内容が分からないのはいまいちです..

WordPress5.4.1リリース  セキュリティ修正を含む が … 5.2.6も自動適用された

 2020/4/29にWordPress5.4.1がリリースされました。これには7件のセキュリティ修正が含まれています。ただ相変わらず修正内容に関する情報公開がぬるい。修正のほかに強化項目も含まれているので何用のリリースなのか分かりにくい。

■5.4.1での修正内容は

 情報公開で、分かりにくいポイントはいくつかあるが、ぱっと見どれがセキュリティ修正かわからない。NVD、JVNには4/30時点では、まだ情報公開されていないようです。修正内容のほとんどはバグ作り込みが、WP5.4となっています。そして2件の修正対象のバグ作り込みバージョンは5.3となっています。 これはREST APIに関するものです。 この修正では、5.2以前のものはなさそうなので、 5.2系を使っているところは様子見でよさそう。

 REST APIの件がセキュリティ修正かどうかが気になる。 #49648はプロパティのアトリビュートが取れない問題、#49645も同様にREST APIを使ったシーンで情報が取れない問題だ。これは、セキュリティかどうかに関係なくアップデートしておいたほうがよさそうです。 アップデートするとなると気になるのは、5.4や5.4.1で強化された項目の残バグの状況です。 

■残留バグ、つぎの修正の予定は?

すでに5.4.2を作業中のようです。これも強化を含む修正で、5.1で作り込んだバグの修正も含みそうです。 

■それで、どうする?

5.4.1については、 5.3系には適用するのでよいでしょう。 5.2以前は5.4.2が出るのを待つので良いでしょう。5.2は5.2.6が自動適用されました。
それからNVDなどの情報もチェックしましょう。

■追記:5.2.6の内容は?

5.4.1の修正内容ではなく、5.4.2で作業中のテーマの更新を先行して出したようです。WordPressの修正一覧ではマイルストーン、バージョンともに5.2.6はまだ登録されていません。 修正内容もチェックしておきましょう。

WordPress5.4がそろそろリリースされそう。 セキュリティ修正は?

 2019/12/13にWordPress5.3.1 セキュリティパッチがリリースされてから、セキュリティ修正はまだないが、5.4でどうなるかちょっとみてみた。 修正内容の管理も5.4もできている。

■5.4での修正内容は

 今時点で5.4がリリースされるような状況ではない感じがする。 最悪5.4はスキップして、5.5か という感じさえする。というのは、#49685 など、マイルストーンを5.5としている。修正できたら5.4にセットしなおすのかもしれないが。。。

それから、5.3以前の作り込みバグの修正はなさそうです。いずれも5.4での問題の修正とされている。

■4/2追記:

5.4リリースされていました。
結構クローズされていない状態でリリースされているようだ。 修正内容の項目数は、先日みたときより4倍くらいに増えている。まだまだ修正中という感じですね。となると、5.4.1のリリースもすぐかもしれない。 それから、5.4での強化のいろづけが簡単にできるようになるのはよさそう。。。 でも、大きめの残バグがあるので、5.4へのバージョンアップは修正パッチが出てからにしよう。

・脆弱性

2020年もプラグインがらみの脆弱性が多数報告されている。 プラグインのほうもチェックしておかないと。。。