位置情報を利用するサービスと位置偽装

現在、自分がいる位置(個人情報)を利用しているサービスが多数あります。この個人情報の位置づけと位置偽装?とそれぞれのサービスについて書きます。

まず、自分がいる位置は個人情報にあたります、よってこれを利用するサービスは事前に位置情報を利用する旨のメッセージを提示します。この位置情報はいろいろな方法で取得されたもので、その精度や正確性に違いがあります。

1)GPS
3つ以上のGPS衛星からの電波をもとに高度もふくむ位置を特定する仕組みです。 空がある程度の範囲で見える場所であればどこでも位置特定することができます。 利用するにはGPS受信機を内蔵している必要があります。受信モジュールの値段は1000円ちょっとくらいです。それなりの値段の端末なら搭載しておいてほしいところですが、GPSが搭載されていない端末もあります。そのような端末やGPSの電波が届かない場合は、後述の方法を組み合わせて位置特定をしています。

2)携帯電話基地局
  携帯電話が通信している基地局から場所を特定する仕組みです。携帯電話がつながる場所であれば位置特定できるため部屋の中などGPS電波が届かないような場所でも利用です。ただし携帯電話の契約がない場合は利用できません。また、位置特定の精度は1つの基地局でカバーする範囲のどこかとまでしかわからないので、GPSよりも精度は落ちます。

3)WiFi
GPS等で特定した位置情報とその場所で取得したWiFiのMACアドレスがマップ化されています。現在位置で検出されたWiFiのMACアドレスから位置を特定します。特定のWiFiアクセスポイントに接続可能な範囲は携帯基地局に比べて比較的狭いのでその分精度が高くなります。また、複数のWiFiのMACアドレスを使用することでさらに精度を高めています。1)、2)はほぼどこの場所でも利用可能ですが、町から外れるなど民家がなくWiFiがない場所では位置特定できなくなります。また、位置特定できても一見なぞのように感じられる位置の誤認識が発生することがあります。そして、MACアドレスは公のものではありません個人所有の機器に付随した情報です。該当機器は自由に持ち歩くことができ、別の場所に配置することは何の問題もありません。よって、WiFiで提供される位置情報は正しいとは限りません。

4)プロバイダ局
インターネットプロバイダがIP紐づけしている場所が位置として認識されます。どのような仕組みで特定して(決めて)いるのかはプロバイダによって違うものと思われます。以前、私が契約していたプロバイダの場合は、数百キロ離れた東京のある場所にいるものとして扱われていました。今は、すぐ近くですが800mくらい離れた場所が現在位置として扱われています。以前に書いた”空の状態”の位置です。
これは携帯端末とは関係なく有線で利用しているインターネット上で位置特定するものです。前述の通り精度はプロバイダ依存ですがはっきり言って適当な固定位置が返却されると考えたほうが良いでしょう。

 1)2)はほぼ間違いがない位置を特定できますが、4)は適当、3)に関しては誤認識や偽装が起こりそうで、認証など確実に位置特定する目的で利用するのは問題がありそうです。

上記のような位置情報ですが、次はこれを利用しているアプリケーションやサービスの側から見てみます。

■便利にするために利用しているもの。

地図情報や、乗り換え検索などの初期の位置に利用している。
→ 正しく動作するかどうかだけで、機能すれば便利に使える
カーナビなどナビゲーションなどリアルタイムでの現在位置を利用している
→現在位置を取得するべき機能なので正しい現在位置が取れないと意味がない

マップ

→ 現在位置でないと不便なアプリケーション

ナビゲーション

現在位置が取れないと意味がないか役に立たたないアプリケーション

■サービス範囲を制限するもの
radiko
     → エリアフリーなどの有償サービスとの差別化の1つの手段として利用しているもの。確実に差別化?仕分けしたいなら、GPSで取得した位置情報の場合にのみ利用可能にすればよい。しかし、GPS電波が届かない場所など利便性を考えればほかの方法で取得した位置情報も許容するほうが良いかもしれない。しかしそうすると、意図せず発生した位置偽装状態のものを許容するしかなくなる。この挙動を活用することで、前述の方法で位置偽装によりサービス利用が可能となる。  

■AR/VR ゲーム

PokemonGO 

位置情報をアイテム取得などの要素に取り込んだゲームアプリケーションです。位置偽装によりゲームを有利に進めることが可能なため、位置偽装を行うアプリケーションが多数あり、PokemonGOのメーカではその不正を見つけてアカウントの無効化を行ったり、位置偽装アプリケーションを使えないようにしたるするなど、偽装とその対策のいたちごっこが起こっています。

魔法同盟 (ハリーポッター)
 

→PokemonGOとマップは同じような感じです。同様に位置偽装とアカウント無効化のいたちごっこが起きそうなアプリケーションです。

■GPSアート
 →どういう分類にするのが良いか微妙ですが、自己満足?のためなので現在位置でないと意味がなく、たぶんGPSでの測地でないと対応できない場所が多いはず。なので、ここでは取り扱う対象外です。

■その他

GPS鬼ごっこ
→ このアプリケーションの場合、位置偽装の組み合わせでチートなど面白いことができそうですが、さらにこのアプリケーション自体でなにかできそうな気もします。

アプリケーションによりいくつが分けられますが、位置偽装したくなるアプリケーションは多数あります。位置偽装ならぬ位置誤認識を利用して位置偽装をすることもできそうです。上述の通りすでに実績もあります。偽装なのか誤認識なのかサービス側では区別できないように思います。区別できるくらいなら誤認識しないようにしてほしいです。


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