蛇口の「ぶー」が止まった ── 混合栓のカートリッジ交換(KPS018)は実作業10分

前編で交換部品を特定した、浄水器付き混合栓の異音。注文したKPS018が届いたので、さっそく混合栓のカートリッジ交換をしました。

結論から書くと、「ブーー」という異音も水漏れも止まりました。実作業は10分足らずで、前後の確認を含めても30分ほどでした。

ただし、手順には1か所だけ、ひと手間かかる所がありました。そこで、この記事ではその手順と、外したカートリッジの劣化の様子をまとめます。さらに、次の再発に備えて考えたことも記録しておきます。

交換前の状態:浄水側から「ブーー」と水漏れ

わが家の混合栓は、KVK(旧MYM)のFB764GK8です。8月下旬ころから、ポンプが動くたびに浄水側から「ブーー」と鳴るようになりました。しかも、鳴るたびに蛇口から水が漏れていました。

浄水レバーを手で押さえると、音は止まります。そこで、浄水側の切替カートリッジ(KPS018)が原因と判断しました。詳しい切り分けと部品の調べ方は、前編に書いています。また、2019年の経緯は問題編と解決編にまとめています。

混合栓のカートリッジ交換に用意したもの

混合栓のカートリッジ交換に使ったものは、次のとおりです。

  • KVK KPS018(浄水側の切替カートリッジ)… 楽天市場の販売店で送料込み3,110円
  • モンキーレンチ … カバーとカートリッジを回す
  • プラスドライバー … レバーを留めているネジを外す
  • 小さいマイナスドライバー … レバーのキャップをこじ開ける(写真にはありません)
  • シリコングリース … Oリング・青いパッキン・ネジ部に塗る(手持ちの信越シリコーン G-40M)
混合栓のカートリッジ交換に使ったKPS018と工具
用意したもの。KPS018、モンキーレンチ、プラスドライバー、シリコングリース

なお、KPS018のパッケージ上の名称は「止水カートリッジ」です。わが家の混合栓では、浄水の出し止めを受け持つ部品です。

ちなみに、部品はネコポスで届きました。ところが、袋を開けると先端の青いパッキンが外れていました。どうやら、輸送中に外れたようです。そのため、先端にはめ直してから取り付けました。届いたら、まずパッキンの有無を確かめると安心です。

混合栓のカートリッジ交換の手順

混合栓のカートリッジ交換の流れは、次のとおりです。まず、混合栓の下の止水栓を閉めてから始めます。

  1. 混合栓の下の止水栓を閉める
  2. 浄水レバーのキャップを、小さいマイナスドライバーでこじ開ける
  3. キャップの下のプラスネジを外し、レバーを抜く
  4. リング状のカバーを、モンキーレンチで左に回して外す
  5. カートリッジの六角部分にレンチをかけ、左に回して外す
  6. 新しいKPS018のOリング・青いパッキン・ネジ部に、シリコングリースを塗る
  7. KPS018を右に回して締め、カバー・レバー・キャップを逆の順で戻す
  8. 止水栓を開けて、浄水の出し止めと漏れがないかを確かめる

ひと手間:リング状のカバーを先に外す

つまずきやすいのは、手順4です。レバーを抜いても、すぐにはカートリッジの六角部分にレンチが届きません。手前に、リング状のカバーがあるからです。

そこで、先にこのカバーをモンキーレンチで左に回して外します。すると、奥の六角部分にレンチをかけられます。なお、専用のソケットレンチがあれば、カバーを付けたままでも届くかもしれません。

シリコングリースを塗る理由

新しいKPS018には、Oリング・青いパッキン・ネジ部にシリコングリースを塗りました。グリースを塗ると、Oリングがねじれずに収まりやすくなります。また、ネジ部も滑らかに回せます。ただし、鉱物油系のグリースはゴムを傷めることがあります。したがって、ゴム部品にはシリコングリースを使います。

結局、混合栓のカートリッジ交換にかかった時間は、実作業で10分足らずでした。前後の確認を含めても、30分ほどで終わりました。

結果:異音も水漏れも止まった

交換後は、ポンプが動いても「ブーー」という音は鳴りません。さらに、音と一緒に出ていた水漏れも止まりました。つまり、8月下旬から1か月あまり続いた異音は、混合栓のカートリッジ交換で解消しました。

やはり、前編の見立てどおり、原因は浄水側の切替カートリッジでした。なお、作業があっけなく終わったので、交換前後の動画は撮りそびれました。

外したカートリッジの劣化:先端の青いパッキンが白っぽく

外した古い切替カートリッジ(横から)
外した古いカートリッジ。全体に黒ずんでいた
古いカートリッジの先端にある青いパッキン
先端の青いパッキン。新品は鮮やかな青だが、白っぽく変色していた

見た目で一番変わっていたのは、先端の青いパッキンです。新品は鮮やかな青色です。一方、外したものは白っぽく変色していました。材質はわかりませんが、シリコン系のゴムかもしれません。

次に、黒いOリングを見ました。ひびはなく、触るとある程度の柔らかさも残っています。ただし、どこまで硬くなっていたかはわかりません。

また、同じKPS018を交換した別の方の記録でも、青いパッキンの弾力がなくなっていたと書かれています。したがって、異音と漏れには、このパッキンの劣化が関わっていた可能性が高そうです。

次の混合栓のカートリッジ交換に備えて

最初のカートリッジは約10年、2本目は7年で異音が出ました。つまり、次の混合栓のカートリッジ交換は7〜10年後、2030年代半ばになりそうです。

ところが、そのころにKPS018が手に入るとは限りません。日本バルブ工業会の資料では、補修用部品の供給期間は製造中止後10年とされています。しかも、FB764GK8にはすでに後継機種(KM5061NSC)が出ています。

先端の青いパッキンは単品で手に入らない

そこで、先端の青いパッキンだけを手に入れられないか調べました。しかし、単品では売られていないようです。実際、Yahoo!知恵袋の回答でも、パッキンだけの販売はないだろうとされていました。さらに、市販品での代用も難しいという意見でした。確実なことは、KVKのお客様相談窓口に問い合わせるのがよいでしょう。

古いカートリッジは捨てずに保管する

そのため、外した古いカートリッジは保管しておくことにしました。KPS018が手に入らなくなったときの、最後の手段です。たとえば、青いパッキンを裏返して当たり面を変え、シリコングリースを塗れば延命できるかもしれません。

もっとも、これは試していない案です。また、メーカーが想定した修理方法でもありません。とはいえ、部品が手に入らないときの選択肢としては残しておきたいところです。

ただ、こういう部品は、えてしてなんとなく捨ててしまいがちです。だからこそ、ここに書いて未来の自分への申し送りにしておきます。

今回の修理記録

前編の教訓に従って、今回の修理記録を残しておきます。

項目内容
修理日2026年10月1日
本体KVK(旧MYM)FB764GK8(形状と2019年の発注記録から特定)
症状ポンプが動くと浄水側から「ブーー」と鳴り、蛇口から水が漏れる
交換部品KPS018(浄水側の切替カートリッジ。パッケージ名は止水カートリッジ)
購入先・価格楽天市場の販売店、送料込み3,110円(ネコポスで到着)
工具モンキーレンチ、プラスドライバー、小さいマイナスドライバー
消耗品シリコングリース(Oリング・青いパッキン・ネジ部に塗布)
作業時間実作業10分足らず、確認を含めて約30分
注意点リング状のカバーを先に外さないと、六角部分にレンチが届かない
結果異音・水漏れとも解消
外した部品先端の青いパッキンが白っぽく変色。黒いOリングにひびなし。保管中
過去の交換2019年:浄水側の切替カートリッジ(業者作業)、シングルレバー側 KPS027H-B(自分で交換、原因ではなかった)

まとめ:混合栓のカートリッジ交換はカバー外しがポイント

  • 浄水側の異音と水漏れは、KPS018への交換で止まった
  • リング状のカバーを先に外せば、実作業は10分足らず
  • Oリング・青いパッキン・ネジ部にはシリコングリースを塗って取り付けた
  • 先端の青いパッキンは単品で手に入らない。古いカートリッジは捨てずに保管
  • 修理記録には、部品の型番に加えて、作業のつまずきどころも残す

7年前は、型番を残さなかったせいで遠回りしました。一方、今回は作業のつまずきどころまで書き残せました。次にこの音を聞くのは、7〜10年後かもしれません。そのときの自分が、この記録を見てすぐに直せますように。なお、ほかの修理やトラブル対処の記録は、ノウハウのカテゴリにまとめています。


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2019年に苦労して直した、キッチンの混合栓の異音。あの「ぶー」という音が、7年たって再び鳴り始めました。

原因の見当は、すぐにつきました。ところが、前回交換した部品の型番が、どこにも記録されていませんでした。

そこで、この記事では再発の経過をまとめます。加えて、交換部品の型番にたどり着くまでの手順も紹介します。混合栓の異音で困っている方が、同じ手順を試せるように書いています。なお、交換作業と結果は次回の交換編で紹介します。

前回(2019年)の混合栓の異音をおさらい

2019年8月ころ、キッチンの浄水器付き混合栓で異音が出始めました。水を流すたびに「ぶー」と鳴り、止めているときも時々鳴りました。しかも、止めているときに鳴ると、蛇口から水が漏れてきました。

まず、メーカーから提示されたシングルレバー側の止水カートリッジを交換しました。しかし、音はまったく変わりませんでした。

そこで仮説を立てて、音の出どころを切り分けました。その結果、浄水側の切替レバーを押さえると音が止まることがわかりました。つまり、原因は浄水側の切替カートリッジの劣化でした。

経過の詳細は、問題編と解決編に書いています。

2019年撮影。切替(浄水)レバー部を押さえると異音が消える(解決編より)

今回の混合栓の異音:「く、く」から「ブーー」へ

今回は約1か月前、2026年8月下旬ころから症状が出始めました。

  • 最初は、ときどき「く、く」と短く鳴る程度
  • 現在は「ブーー」と長く鳴る
  • 音が鳴るときには、蛇口から水が漏れる

この混合栓は3階のキッチンにあり、約10m下の貯水槽からポンプで揚水しています。最初は、ウォーターハンマーのときに鳴っていました。ウォーターハンマーとは、水の流れが急に止まったときに起きる圧力の変動です。ところが今は、ポンプが動くたびに鳴るようになりました。

部品のシール性能が、少しずつ落ちてきたのだと考えています。そのため、小さな圧力の変化にも弁が耐えられなくなったと見ています。

試しに、前回と同じく浄水レバーを手で押さえてみました。すると、音は止まりました。つまり原因は、前回と同じ浄水側の切替カートリッジです。

困ったこと:交換した部品の型番がわからない

原因の場所がわかっても、型番がわからなければ部品を注文できません。

ところが、2019年の発注記録に残っていたのは「KVK KPS027H-B」だけでした。これはシングルレバー側の止水カートリッジで、原因ではなかった部品です。

一方、実際に異音を直した切替カートリッジは、交換作業を業者に依頼しました。原因の特定まではこちらで行ったものの、発注記録は手元に残りませんでした。さらに、前回の記事にも型番を書いていませんでした。7年後の自分のために、型番を書いておくべきでした。

混合栓の異音で困ったときの調べ方

ここからは、今回たどった手順を5つのステップでまとめます。

1. 混合栓の異音の出どころを切り分ける

  • まず、混合栓の下の止水栓を閉めて、ほかの蛇口を使ってみる
  • その結果、音が出なくなれば、原因はその混合栓の中にある
  • 次に、音が出ている最中に、各レバーを手で押さえてみる
  • そして、押さえて音が止まったレバーの、内部のカートリッジを疑う
  • なお、浄水器付きなら、シングルレバー側と浄水側を分けて確認する

2. 本体の品番を特定する

本体やシンク下の配管まわりに品番シールがあれば、品番はすぐにわかります。ただし、年数がたつと見つからないこともあります。わが家でも、今回は見つけられませんでした。

その場合は、蛇口の写真を撮ってAIに見せると、似た製品の候補を挙げてくれます。今回は、前回記事に書いた商品名をAIに渡しました。商品名は「浄水器内蔵シングルレバー式シャワー付混合栓」です。すると、KVK(旧MYM)の「FB764GK8」が候補に挙がりました。

ただ、AIの答えは時々間違っています。そのため、候補が出たらメーカーの図面や商品写真と見比べてください。細部まで一致しているかを、自分の目で確かめることが大切です。今回はKVKの商品サポートページで、形状を1つずつ照合しました。引き出し式のシャワーヘッドと、上部のシングルレバーは一致しました。さらに、右下の浄水切替レバーの形状も一致しました。

3. 補修部品を特定する

本体の品番がわかったら、次にその品番の補修部品を調べます。メーカーのサポートサイトや、補修部品の解説サイトが参考になります。たとえば「水が止まらない(浄水)」のように、症状ごとに部品が載っています。

FB764GK8の場合、今回関係する部品は次の2つです。

部位部品品番
シングルレバー側止水カートリッジKPS027H-B(2019年に交換)
浄水側切替カートリッジKPS018

4. 手元の記録と突き合わせる

とはいえ、形状の一致だけでは不安が残ります。そこで、2019年の発注記録にあったKPS027H-Bの対象品番を確認しました。すると、その中にFB764GK8が含まれていました。これで、本体の特定に確信が持てました。このように推定と記録を突き合わせる進め方は、コンクリート劣化の原因を確かめた記事でも使いました。

過去の修理記録や取扱説明書が残っていれば、ぜひ照合に使ってください。

5. 注文前に最終確認する

旧MYM製品は、品番が似ていても部品に互換性がない場合があります。実際、販売店のページにもその注意書きがあります。したがって、確信が持てなければメーカーのお客様相談窓口に問い合わせるのが確実です。

KPS018を発注:7年という寿命をどう見るか

以上の手順で、交換部品はKPS018と判断しました。そして、楽天市場の販売店で発注しました。価格は、送料込みで3,110円でした。

ちなみに、最初のカートリッジは設置から約10年で異音が出ました。一方、2019年に交換したカートリッジは7年で異音が出ています。日本バルブ工業会の資料では、水栓の耐用年数は10年程度とされています。また、バルブカートリッジは消耗部品の例に挙げられています。さらに、わが家はポンプで揚水しているため、圧力の変動を受けやすい環境です。したがって、7〜10年での交換は妥当な範囲だと考えています。

次回:交換編

部品が届いたら、KPS018への交換作業と結果を報告します。加えて、外したカートリッジのどこが劣化していたのかも紹介します。また、次の再発に備えて何を記録しておくかもまとめる予定です。

まとめ:混合栓の異音は切り分けと記録が決め手

  • 浄水側のレバーを押さえて音が止まるなら、切替カートリッジを疑う
  • 本体の品番は、品番シール→AI→図面→記録の順で特定する
  • 修理したら、部品の型番・購入先・価格・日付を記録しておく
  • 業者に頼んだときも、交換した部品の型番を聞いておく

7年前の自分がこの記録を残していれば、すぐに部品を注文できていました。この記事が、未来の自分と、混合栓の異音に悩む誰かの役に立てば幸いです。なお、ほかの修理やトラブル対処の記録は、ノウハウのカテゴリにまとめています。